Dialogue With

対話とは何だろう?

日常は「3つの対話」の重なり合い

対話って何でしょうか? 普通は目の前の相手とのやりとり、コミュニケーションを思い浮かべるかもしれません。しかし、ここでは対話をもっと広く、

①自分との対話

②他者との対話 

③自然との対話

この3つが重なり合うものとしてとらえたいと思っています。


自分の内側に目を向け、自問自答することも、対話の大事なパートの一つ。相手の言葉につい反応的に対応しがちですが、相手の言葉をまずは手に取ってみて、ゆっくり眺める。そして、自分のなかで起こることを感じつつ、生まれてくる想いや考えを言葉にするのが「自分との対話」です。

 

また、「他者との対話」では「自分と相手がひとりの人として向き合い、応答し合えること」が重要です。コミュニケーションが一方通行であったり、どちらかが肩書きや何かしらの立場、権威をもって話してくると、わかり合えた感覚は生まれにくいでしょう。

対話会・ワークショップの役割とは?

もちろん、日常のコミュニケーションでは、こうした対話だけでなく、議論したり、雑談したりする場面が多いかもしれません。


もしあなたが相手との理解を深めたい、わかり合いたいと感じるのなら、いったん日常から離れ、対話会やワークショップなどで対話を体験することをおすすめします。

 

こうした場で体験する対話は、いわば「稽古としての対話」です。稽古を通して対話の感覚を身につけることで、日常のコミュニケーションも変化していきます。議論や雑談の中に対話的な要素が取り込まれることで、相互理解が進み、組織や家庭でのコミュニケーションがより豊かなものに変わるでしょう。

 

また、自然とふれあうことで自分の内側にあるものに気づき、内省がうながされ、日常の対話が深まるきっかけにもなります。こうした「自然との対話」を通し、ものの見方が変わったり、何か意識が大きく変わったりすることもあるでしょう。対話とは、自分、他者、自然との間を行き来することで深まっていくものでもあるのです。

OICは「社会の縮図」?

OICのプログラムは、こうした対話の全体像を感じながら、自分のあり方を問い直す、「社会の縮図」のような場です。

対話を実践する場であることはもちろん、自分の内面と向き合ったり、仲間と交流したり、時には自然とつながったり……、ここでの体験は、この社会のなかで自分自身を生きる大事な土台になっていくでしょう。

対話のスキルや考え方をより深く学び、実践に結びつけたいという方は、中村一浩の新刊『対話からはじめよう〜dialogue with the wind』(2023年刊行予定)をご覧ください。

対話のスキルをもっと学びたい人へ

対話からはじめよう〜dialogue with the wind

著: 中村一浩
ハンカチーフ・ブックス刊

ー 目次 ー

第1部 対話の方法論
 第1章 対話とは何だろう?
 第2章 対話のステップをたどる
 第3章 対話をどう学ぶか?
 第4章 対話中に心がけたいこと
*第2部(対話による変容)、第3部(対話の意味論)も順次刊行の予定です。

対話の世界観をまず感じたい人へ

ことばの焚き火〜ダイアローグ・イン・デイリーライフ

著:大澤真美・中村一浩・植田順・野底稔
ハンカチーフ・ブックス刊

ー 目次 ー

1 対話の海へダイブする(大澤真美)
2 対話するってどういうこと?(中村一浩)
3 対話のある生活(植田順)
4 湧き上がり、流れていく対話(野底稔)
「ことばの焚き火」制作ドキュメント(長沼敬憲)
エピローグ アワからウズへ
〜自分の言葉を失ったくにの物語(大澤真美)